以前、八百屋で働いていた事のある方から聞いた話なのですが。。
街の八百屋さんで、閉店の終わりに近づくにつれて、
段々値段が安くなっていくところってあるじゃないですか。
あれって、ただ売れ残りを防ぐために安売りしているだけではなくて、
ちゃんと利益が出るような工夫がされているんですって。
例えばある八百屋が朝方に「白菜1つ250円だよー」と売っていたとします。
その後、昼過ぎくらいに値下げをして「200円に値下げ」しますね。
それでも売れ残った場合「えーい!もう150円で良いや」と大セールを行いました。
例えばこの時に、仕入額が150円だとしたら、250円で売っている時は100円の儲け、
200円の時は50円の儲け、150円の時は利益はなく、
廃棄ロスを避けるための在庫処分という感じになりますが。。
実際は、もう少し工夫がされているそうです。
同じ白菜でも、全て同じ値段で仕入れているわけではない
実は八百屋さんは、市場で野菜を仕入れる時に、
同じ種類の野菜でも何パターンか値段の違う物を仕入れることがあるそうです。
例えば凄く品質の良い白菜を150円で仕入れておいて、
それとは別の質の落ちるハクサイを50円で仕入れておくといった具合です。
そして、開店直後は150円で仕入れた品質の良い白菜を販売し、
その白菜を売り切ったら、今度は50円で仕入れた白菜を売り始めるわけです。
そうすると、先程の販売方法でも、
250円で売っている時は150円で仕入れた白菜を販売して100円の儲け、
200円に値下げしても、150円で仕入れた白菜で50円の儲けか、
場合によっては100円で仕入れた白菜で150円の儲け(一番儲かる笑)!
そして「えーい!150円で良いや!」と売っている時も、
実は朝と同じく100円の儲けが取れているわけです笑。
顧客ニーズにもあっている販売戦略
さて、実はこの方法、八百屋に訪れるユーザーのニーズにも沿った、効果的な販売戦略なんです。
例えば、朝早くに八百屋に訪れるユーザーは、どんな人でしょう?
「新鮮で美味しい野菜を食べたい人」という可能性が高いと思いませんか?
そういう人たちには150円で質の良い白菜を販売して、
「あのお店の白菜は美味しい」というイメージを持ってもらった方が良いですよね。
一方、夕方近くにセール目当てに訪れるユーザーはどうでしょう。
もちろん、「なるべく安く買いたい人」ですよね。
そういう人には、安く仕入れた白菜を安い値段で販売してあげるわけです。
しかも、朝に良い商品を買う人からも、夕方にセールで買う人からも、
同じ100円の儲けが出せますので、どちらも「良いお客様」ということになるわけです笑。
もちろん、すべての八百屋さんがこういった手法をとっているわけではないと思いますが、
この話を聞いた時はまさに「商売の真髄」のようなものを教えてもらった気がして
感動したのを覚えています。
こういったことを考えながら業績を上げていくのが、商売の醍醐味なのかなと思います。
それでは。