WEB製作は本当に稼げないのか?

なんか最近Youtubeで、こういった動画を立て続けに見ました。

まあ別に、それぞれが自分の経験に基づいた意見を言えば良いと思うのですが、
個人的には自分が15年以上やってきて、それなりにお客様に貢献してきた自負はあるので、
若い人たちが数年やってみて「稼げない」と決めつけてしまったり、
WEB製作を勉強する前に「稼げるか稼げないか」を気にしすぎたりしてるのを見ると
やはりちょっと少し寂しい気分にはなります。
ビジネスって、そういうものじゃないと思うからです。

「数か月勉強したら毎月数十万円稼げるようになる」かどうかなんて、
やる前から分かるわけないじゃないですか。
誰でも儲けられる業種なんて、この世にないと思うのです。

依頼者の利益になるように、全力で仕事に取り組んで、自分の技術を磨いていく。
その果てしない積み重ねの先にようやく「稼げる・稼げない」の話が出てくるのではないでしょうか。

しかし「WEB製作は儲かる」とあえて言いたい。

そうはいっても、WEB制作会社の売上が下がっているのではないかという話はちらほら聞きます。
アプリ系の会社の人からは「WEB制作って今大変でしょう~?」と言われることもあります。
なので、一応私の会社の話をしておきますと「売り上げは全く下がっておりません。」

弊社は、私とスタッフ1名体制でやっている法人になります。
個人事業主として独立して、数年後法人化したいわゆる「法人成り」のWEB制作事業者になります。

売上でいうと、個人事業主時代の売上が年間1000万~1500万くらい。
法人になってからは年間2000万~2500万くらいで推移しています。
営業利益率は10%、自分にもスタッフにも食べるには困らないくらいの報酬を払えています。
ここ数年の売上も順調で、「WEB業界が稼げない」という印象は全くもっていません。

私は仕事柄、いろんな業界の社長様とお会いする機会がありますが、
どこの業界も儲かっていない会社ほど「うちの業界は〇〇だから」と言うものです。

ものすごい利益を出しているハウスクリーニングの会社もありますし、その逆もあります。
工務店、花屋、塗装屋、整体院、美容室、どこもそうです。
どこの業界だから儲かるということはないのです。
アプリ開発だって、システムエンジニアだって、動画制作だってそう。
儲かるところは儲かるし、そうでないところはそうでないのです。

上手くいっているところは「儲かる」と言うし、
上手くいかなかったひとは「儲からない」と言います。
だから私はあえて言いたい「WEB業界は儲かる」と。

ただ、ちょっと業界的な変化は感じています。

しかしながら、売り上げの構成についてはちょっとずつ変化しています。
個人的に感じていることは

・WEB製作の単価は確かに変化している
・単体のWEB製作から保守・改善にシフトしている

というところでしょうか。

確かに単価は下がってきている

下記は、過去三年の弊社の単価別の受注件数です。

2019 2018 2017
100万円以上 0件 0件 1件
50万円以上100万円未満 6件 8件 12件
20万以上50万円未満 28件 33件 23件
20万未満 207件 151件 107件

これを見ると、50万円以上の件数は確かに減っています。
逆に20万円以下の小さな依頼が圧倒的に増えています。
ここだけを切り取って「WEB製作は儲からない」という印象を持っている人が多いのかなと思います。

ただし、「単価が下がるから儲からなくなる」というのは間違いです。
単価が下がった分、多くの案件をこなすことが出来ますし、
顧客数が増える分、保守や改善、コンサルティングの受注チャンスも増えます。

仕事を「儲かるか儲からないか」で考える人は、
お客様に主体的に提案などを行っていないのではないでしょうか。
お客様のことをしっかり考え、貢献しようと思う気持ちがあれば
自然と仕事は増えてくるものです。

保守・改善・コンサルティングの依頼は増えている

次に、弊社の分類別依頼件数です。

2019 2018 2017
制作依頼数 86件 70件 66件
保守依頼数 155件 122件 77件

制作単価が下がっていることに合わせて、依頼件数が増えています。
特に、保守系の依頼が増えているのが特徴です。

・画像やテキストの差し替え
・定期的なミーティングやサポート
・アクセス分析や分析に基づいた改善提案、実行
・サーバーの保守

などが主な内容です。
単発の制作案件と違って、定期的に依頼が来るため、売り上げは安定しやすいです。

WEB製作は作って終わりではなく、そこからの改善が大切ですし、
その大切さを各企業が認識しだしたため、こういった依頼は増えています。
単発のWEB製作とは違い、必要とされる知識や技術が幅広くなりますが、
その分お客様に信頼されやすく、長い関係を築くことが出来るのでやりがいがあります。
今後のWEB制作は、こっちの需要が増えてくるのではないでしょうか。

まとめ

上記を踏まえて私はあえて「WEB製作は儲かる」と言いたいと思います。
儲かるというと「楽してお金を稼ぐ」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、
そうではなく、自分の技術と知識、経験を活かして、お客様にしっかりと貢献し、
それに見合った対価を受け取ることが出来るという意味です。

私はWEB制作という業種が非常に好きで、これからもずっとやっていきたいと思っていますので、
若い人が、これから少しでもWEB制作に興味を持って、業界に入ってきて、
業界全体が盛り上がればよいと思って今回書きました。

少しでも誰かの参考になれば嬉しいです。
それでは。

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この記事を書いた人

mako110

原宿でWEBディレクターをやっています。
WEB業界に携わって約15年。独立して7年目です。
自分らしく、働きやすく、周りの人の役に立つ。
そんな仕事をゆるゆるとやっています。